第33回大瀬カレンダーフォトコンテスト受賞作品
33th.Ose Calendar Photo Contest Award-winning work
『第33回大瀬カレンダーフォトコンテスト』に大変多くのご応募頂きありがとうございます。入賞作品等は、水中カメラマンの堀口 和重さんをはじめとする審査員によって厳正に審査を行ない、決定しましたので、ここに発表させていただきます。
『合唱』大島 千尋 さん
受賞者コメント
大瀬崎の人気者、ミジンベニハゼ。 小さな体で、実にさまざまな表情を見せてくれます。なかでも、あくびをするその仕草は、格別。 そして、仲間同士が同じ瞬間にあくびを見せたとき―― まるで息を合わせて、合唱しているかのようでした。 思わず、夢中でシャッターを切りました。
選評
ミジンベニハゼが2匹そろって口を開けるという、一瞬のチャンスを逃さず捉えた素晴らしい一枚ですね。口元にしっかりとピントが合い、目も見える絶妙な角度、そして2匹の距離感と構図のバランスも非常に良く、撮影の難しさを感じさせない仕上がりに感心しています。
『ぷくぷく競争~ 一番は誰だ!?』小倉 直子 さん
受賞者コメント
時に珍しい生物の訪れや現象でも楽しませてくれる大瀬崎の海ですが、この冬はホシフグの大群が出現し昼夜流星群のように湾内を駆けめぐる圧巻の光景を見せてくれました。
群の迫力だけでなく、個体を見ても青みがかった身体に星を散りばめたような美しさに感動し、可愛らしい表情に癒された冬でした。
季節が移る頃には静かに姿を消していた彼らに、またいつか出会えることを星に願います。
選評
今回のコンテストではホシフグや、さまざまなフグの写真が多くノミネートされました。その中でも、この作品はフグ同士の位置関係や立体感のある構図が際立っていました。また夜の海で、ぶつかり合って驚き、連鎖的に膨らんでいくという、自然な生態行動が写し込まれており、非常に興味深いシーンを見事に捉えていると思います。
『ロックオン』山崎 龍人 さん
受賞者コメント
今年はインドアカタチが非常に多かった中で、ヒレが綺麗なスミツキアカタチも見られました。警戒心が強く近寄れない事も多いですが、何度か通っているうちに、食事に夢中で巣穴からぴょんぴょんと飛び出す様子を観察できました。写真は、右上にいるアミを目掛けて飛び出した瞬間です。
選評
図鑑写真としても成立するようなアカタチの特徴がしっかりと写されている上で、その先にはこれから捕食される獲物の姿があり、緊張感のある場面を捉えていますね。魚の向きや鰭の状態にも配慮が感じられ、非常に難易度の高い瞬間を見事に収めた作品だと思います。
『アバター』市川 亮 さん
受賞者コメント
「ワシのシマで何しとるんや」とでも言わんばかりにこちらを睨め上げてくるユカタハタとガッツリ目が合い慌ててシャッターを切りました。狙って撮ったとは言えない1枚ですが、こちらをガン見する姿が暗がりからこちらを伺うモンスター映画の様な雰囲気に。
この写真を「面白い!」と見出してくれたガイドさんへも感謝をしつつ、水中写真・水中撮影の楽しさを改めて実感させてもらえた1枚になりました。
選評
一目見た瞬間、鋭いライティングに目を奪われました。顔の体色が引き締まり、南方種らしい鮮やかさと力強さが際立っています。黒潮の蛇行によって越冬し現れるようになったユカタハタ。数年前までは見られなかった成魚を、大瀬崎という場所の変化とともに記録しており、写真作品としてだけでなく、記録性の面でも非常に価値のある一枚です。
『ともに』田中 彩 さん
受賞者コメント
大瀬崎の可愛い生きものと言えばのお魚。1本潜った時は水中が明るかったためか警戒心が強く、巣穴から顔をのぞかせてくれるようなシーンがなかなかありませんでした。でもこの日は絶対に撮る!と決めていたので、諦めずにもう1本。驚かさないようにそっと近付くと、ネジリンボウ属の2匹がお互いを信頼しているかのように寄り添う、愛らしい瞬間を撮影することができました。
選評
2匹のネジリンボウがそろって顔を上げている表情を、絶妙なタイミングで捉えています。また、この日の大瀬崎の海の青さや透明度の高さも伝わってくる仕上がりで、その瞬間の水中環境も含めて丁寧に表現されていると感じました。
『はーい、食いしん坊でーす』野中 聡 さん
受賞者コメント
昨年の冬、ホシフグの大群が大瀬崎に現れました。群れの下で何か咥えているオオモンハタを発見。大きな口を開けてホシフグを飲み込もうとしているではありませんか!じりじりと寄りながら撮らせてもらいましたが微動だにせず。撮り終えてしばらく見ていたら、ホシフグが最後の力を振り絞って脱出成功!慌てて追いかけるも、フグは群れの中に消えていきました。呆然とするオオモンハタの後ろ姿が忘れられません。
選評
捕食シーンでありながら、この作品からは“怖さ”があまり感じられません。写真全体がどこか柔らかく、優しい印象を受けるのが印象的です。オオモンハタがヒレを片側だけ上げている仕草や、ホンソメワケベラによるクリーニングの場面が、写真に自然な奥行きとストーリー性を加えていました。
『素敵なアイシャドウ』井上 謙二 さん
『近過ぎ!』古菅 正道 さん
『点滅する命』久慈 泉 さん
『水鏡』中村 桂太 さん
『スリル」日高 康智 さん
『あしたはどっちだ?』壇上 博史 さん
『出会いは突然に』秋元 星哉 さん
『命のバトン』安田 真人 さん
『大きくなぁれ!』菊地 光代 さん
『束の間の水中オーロラ』吉田 佳世 さん
『ドッキング』脇坂 大 さん
『成長の代償ー幼き者たちの現実ー』玉木 潤 さん
『獲物』谷口 たけ子 さん
『ふぐ来たる』金本 稜子 さん
『ホシフグライダー』長嶺 真紀 さん
『襲来』keitosuke_blue さん
『混沌の前の静寂』o_hide さん
『譲れぬ戦い』saaooo2020 さん
『Amusement house』Sunrise_Sunset さん
『目だけ見える』anezaki_2025 さん